もしもの時の地震対策
家の中の安全
阪神大震災では、多くの人が家の中でケガをしました。震災でケガをした人のうち、家の中で落ちてきたものや倒れてきた家具でケガをしたりと、
家の中でのケガが7割近にもなりました。 家具を固定しておくことは重要な地震対策です。「激しい揺れで冷蔵庫が動いた」「テレビが真横に飛んできた」といった報告もありました。
家具の固定
普段は何気なく暮らしている家の中や外回りで、災害時に凶器となるものが無数にあります。特に、タンスやピアノ、クーラー、冷蔵庫といった重
量のあるものは非常に危険な凶器になることを十分理解しておく必要があります。タンスや本棚の他、大型電気製品も固定する必要があります。棚の上には重い物や割れやすい物を置かないようにします。食器棚の中の物が飛び出さないよう掛け金をつけましょう。
スーパーや専門店で売っている市販の金具を使えば家具をしっかり固定することができます。壁や柱、鴨居にねじ釘を打ち込み、金具、鎖やベルト
を使って家具と固定します。この時、壁や柱の丈夫な部分に打ち込むことが大事です。壁の板が薄い場合には裏側に補強の柱が入っている部分を探
して打ってください。弱い部分に打ち込むと、壁ごとくずれる恐れもありかえって危険です。
突っ張り棒
家具と天井の間に突っ張り棒をかませて倒れにくくします。但し、家具の端の枠組みに当たっていないと押さえが利きません。
天井側も、天井下地の上の吊り木や野縁に当たっていないと下地を突き破って外れてしまうおそれがあります。あらかじめ設置場所をチェックしておきましょう。
すきま材を挟む方法
一番手軽で簡単な転倒防止方法です。前面下にすきま材をはさむことで若干仰向けになります。重心がうしろに傾くので、前に倒れにくくなります。ただし、畳の上は弾力があるのであまり効果は見られません。板の間の上のほうが効果的です。また、「倒れにくく」なるだけなので、寝室など人のいる部屋は避け、タンス部屋・クローゼットでの使用に留めましょう。
家具を購入する場合、奥行きがなく背が高いものは、倒れやすいので避ける。
高さを10 とすると、奥行きが4 以上あるものは比較的安全です。
安全な空間を作る
家の中で逃げやすく狭い空間で柱の多い場所(例えばトイレ)を安全スペースと定めて、そこには倒れたり落下する物がないようにする日頃の心がけも必要です。
家の中に逃げ場としての安全な空間をつくっておく。
- 寝室の安全化・枕もとに肉厚の靴、懐中電灯の用意
- 家の中の避難路・脱出口の検討をし、家具の配置を考えましょう。
その他注意すべき項目CHECK!
- 消火器の設置。
- 風呂の水はいつも満水にする。
- 食器棚などのガラス器は、下に入れておく。
- ガスの元栓・電気のブレーカーの場所確認。
- 保険証番号・口座番号等の覚え書き。
- となり近所の情報交流は普段からしておく。
- 避難路の安全確認( ブロック塀・屋根かわら等)。
非常持ち出し袋の準備
日頃から非常持ち出し品を準備し、リュックサックやかばんにつめ、寝室に置いておきましょう。
避難の時に支障の無い重さは成人男性で15キロ、女性では10キロほどです。
中に入れておくのは、乾パンや缶詰などの非常食、目安は家族3日分。飲み水は1日1人3リットル。
用意しておくべきものCHECK!
- 3日分以上の水、食料 ・・・水9リットル程度、乾パン、インスタント食品、缶詰(缶切不要のもの)、チョコレートや梅干などが良いでしょう。
- 光源の確保 ・・・ライター、懐中電灯、ろうそく、予備の電池など
- 衣類 ・・・長袖シャツ、厚手のアウター、下着、帽子、ヘルメットなど
- ラジオなど情報収集できるもの
- 応急セット ・・・包帯、ガーゼ、はさみ、絆創膏、傷薬、消毒薬、目薬、解熱剤、胃腸薬、風邪薬など
- 貴重品 ・・・通帳、印鑑、財布、小銭
災害用伝言ダイヤル
地震など大災害発生時は、安否確認、見舞、問合せなどの電話が爆発的に増加し、電話がつながりにくい状況が1日~数日間続きます。先の阪神・
淡路大震災では、5日間続きました。
そんな時の為に、連絡をとる手段「災害用伝言ダイヤル」の使い方をあらかじめ家族で覚えておきましょう。
NTT の機械が伝言を中継するので、
- 避難等により電話に応答できない方々への連絡
- 停電、被災により自宅の電話が使えない場合の連絡
- 呼出しても応答のない電話が減少する
など、安否情報の伝達に役立ちます。
「災害用伝言ダイヤル」は加入電話、公衆電話、携帯電話、PHSからも利用できます。
番号は局番なしの「171」で、音声案内に従って操作します。
次に「1」をダイヤルして録音をしますが、伝言を登録できるのは、電話がかかりにくいとNTTが判断した地域の加入電話の番号に限られます。登録できる地域の市外局番はNHKの放送でもお伝えします。伝言を聞く場合は「2」をダイヤルします。
家族との連絡方法
いざという時、家族の安否を確かめるための連絡方法を家族全員で考え、話し合っておきましょう。 交通機関がとまり、電話もかかりにくくなることを前提に、集合場所を決めたり、遠く離れた親戚や知人の家を連絡先にしておくなどのルールを作っておきます。 とくに子供とどう合流するかは重要なポイントです。学校や幼稚園などでは、迎えにきた家族に子供を引き渡したり、集団下校を行なったりします。あらかじめそれぞれの学校や幼稚園にどんな方法をとるのか確認しておくのが良いでしょう。
家族のそれぞれの日常を把握し、連絡先を確認しておきましょう。また、家族の生年月日・血液型の確認もしておくといざという時も安心です。