LCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)
LCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)とは、長寿命で且つ一層のCO2削減を目標とし、住宅の建設時、運用(居住)時、廃棄までの一生涯、つまり住宅のライフサイクルトータルでCO2の収支をマイナスにする住宅のことです。
CO2削減への最終目標となる住宅
地球規模の温暖化対策が課題とされる現在、CO2排出の削減は、日本の最も重要な政策課題のひとつです。なかでも、住宅分野においては建築で使用されるエネルギー消費量の増加が続いており、低炭素化の取り組みを一層強化することが求められています。
政府はこれまで、「省エネ基準」「認定低炭素住宅」「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)」など、さまざまな省エネ・省CO2対策を行ってきましたが、これらをさらに進めてより強化した政策として、住宅のライフサイクル全般にわたるCO2の排出量をトータルでマイナスにする「LCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)」を提唱し、推進しています。
長寿命、かつ、一層のCO2削減を目標とした住宅として最終的に行き着く目標が「LCCM住宅」ということになります。
地球温暖化対策として、日本は2030年にはCO2排出量を26%削減(2013年比)することを目標としており、なかでも家庭部門CO2については約40%の削減目標を掲げています。(平成28年5月13日閣議決定)
住宅が貢献するCO2排出削減
住宅のライフサイクルとは?
住宅のライフサイクルとは、(1)住宅の建設段階(2)住宅に住んでいる段階(3)住宅の廃棄段階、これら全ての段階を含んだ、住宅の生涯をさす言葉です。
ZEHのその先へ
私たちは普段、お風呂のお湯を沸かす、暖冷房機器を使う、料理をする、電気を使う…など、さまざまなシーンで電気やガスを利用しています。つまり、地球の資源である石油や石炭を燃やして発電し、二酸化炭素を発生させています。
この住宅運用時(住んでいる時)の年間一次エネルギー消費をゼロ以下にする住宅が「ZEH(ゼロエネルギーハウス)です。
ZEHは、住宅自体の断熱性能や気密性能を向上させ、高効率な住宅設備を設置し、家庭で使う電気やガスなどの一次エネルギーを太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーを利用することで、年間一次エネルギー消費がゼロ以下になるよう計画された住宅です。
「LCCM住宅」は、「ZEH」の考え方に加え、家を建てる際に発生するCO2や、将来の改修・
解体を含めた “住まいのすべての過程でCO2排出量” を抑える住宅です。
住まいの一生を通じてCO2排出量をマイナスに
LCCM住宅は、建設時・運用(居住)時・廃棄時において、できるだけCO2削減に取り組み、さらに、太陽光発電などを利用した再生可能エネルギーの創出により、建設時のCO2排出量も含めて、住宅の生涯にわたり、長い住宅寿命の中でCO2収支をマイナスにする住宅です。
補助金制度
先導的な建物の省CO2化を支援する事業
2018年度、住宅建設時のCO2排出量も含め、住宅のライフサイクルを通じてCO2の収支をマイナスにするライフサイクルカーボンマイナス(LCCM)住宅を新築する事業を支援する「LCCM住宅部門」が新設されました。
国土交通省が設けている、IoT技術の導入や、高い省エネ性能を確保などの条件を満たす住宅の供給を支援する「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」の枠組みのなかに、『LCCM住宅部門』を加えるもので、住宅から排出されるCO2の削減を目的としています。
戸建て住宅の省エネ・省CO2化に向けたLCCM住宅に対する支援制度
担当省庁 | 国土交通省 | |
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補助事業名称 | サステナブル建築物等先導事業 | |
対象となる住宅 | ライフサイクルカーボンマイナス(LCCM)住宅 | |
ZEH基準 | 一次エネルギー消費性能 | 太陽光を除く一次エネルギー消費量が省エネ基準の▲20% |
外皮性能 | 強化外皮基準 | |
創エネ量 | 太陽光発電などにより正味ゼロエネルギーとなる | |
その他の要件など | ・LCCO2評価の結果が0以下となるもの ・CASBEE B+ランク以上、または長期優良住宅認定されたもの |
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補助額 | 上限125万円/件、かつ、掛かり増し費用の1/2以内 | |
採択方式 | 事前枠付与方式(※) |
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