BELS(建築物エネルギー性能表示制度)とは
BELS(ベルス)とは、建築物省エネルギー性能表示制度のことで、新築・既存の建築物において、省エネ性能を第三者評価機関が評価し認定する制度です。
2016年4月より、対象範囲が住宅に拡充されると共に、建築物省エネ法第7条に基づく建築物の省エネ性能表示のガイドラインにおける第三者認証の1つとして運用が開始されました。
国のお墨付きが与えられる省エネ性能表示制度であり、新築だけでなく既存住宅についても評価・表示が可能ですので、建物の省エネ性能、資産価値を示すひとつの指標となります。
※BELS[ベルス]とは Building-Housing Energy-efficiency Labeling System(建築物省エネルギー性能表示制度)の略称です。
1.2024年4⽉1日より新しいBELS制度に
2050年カーボンニュートラル実現に向けて、2024年4⽉1日から建築物省エネ法に基づく「省エネ性能表示制度」の改正が始まりました。建築物の販売・賃貸を⾏う事業者は、建築物の販売・賃貸の際には、告⽰で定めるラベルを⽤いて省エネ性能を表⽰する「省エネ性能ラベル」と「省エネ性能の評価書」がセットで発行、「自己評価」と「第三者評価BELS(ベルス)」の2つの方法で作成します。「第三者評価のBELS」では、ラベルや評価書にBELS マークを表示、表示内容の客観性・信頼性を向上できるほかに、補助金等を利用する際の証明書として使用する場合があります。これまでのBELS評価書では『ZEH』のマークだけで、詳細な分類が判別できませんでしたが、『ZEH』の分類がマークに加わり、マークだけでその判別が可能になります。
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メリット1ZEHマークの表示
より高い省エネ性能を有することが確認できた場合には、優れた省エネ性能を有する住宅・建築物であることを示すZEHマークを表示することができます(第三者評価のみ)。
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メリット2補助制度等の
証明書類として活用補助制度等において、住宅等の性能を証明する証明書類として、ZEHマークが表示される評価書を用いることができる場合があります。
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メリット3客観性・信頼性の向上
第三者評価の結果を表示することは、消費者等に提供される省エネ性能に関する情報の客観性を高め、表示制度全体の信頼性向上にも資するものとなります。
2.ヤマト住建は2019年より「BELS」を全棟標準!※1
ヤマト住建は2019年より、第三者評価(BELS)を全棟標準※1とし、お客様に省エネ性能の高さをご確認いただいています。ヤマト住建は、BELS評価書取得施工者において評価書取得件数、全国第7位に!!戸建住宅メーカーにおいて全国第4位の評価書取得をいただいています。「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)支援事業」では、申請する住宅は建築物省エネ法第7条に基づく省エネ性能表示(BELS等、第三者認証を受けているものに限る)を事業期間内に取得し、補助金対象事業実績報告時に提出できることを交付要件としています。
※1 一部キャンペーンの商品除く
一般社団法人 住宅性能評価・表示協会
※2024年2月末時点 ※2016年(平成28年)4月からのBELS評価書の累計交付実績となります。
3.BELSで表示される性能
省エネ性能ラベルNEW
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星のマークが増えるほど、省エネ性能が⾼いことを⽰しています。
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家のマークが増えるほど、断熱性能が⾼いことを⽰しています。
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年間にかかる光熱費の⽬安を記載しています。
※⽬安光熱費は任意項⽬です。
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BELS(第三者評価)の場合のみ記載できます。
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⑤第三者評価BELS
第三者の評価機関により評価されたことを示しています。
省エネ性能評価書 改定
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⑦再エネ設備あり/なし
再エネ設備の種類、容量を任意で表⽰します。
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⑧達成状況
各基準ごとの達成/⾮達成を表⽰します。
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⑨特記項⽬
ZEH等に関する項⽬を表⽰します。
4.エネルギー消費性能とは
国が定める省エネ基準からどの程度消費エネルギーを削減できているかを見る指標(BEI)を、星の数で示しています。
消費量とは
建築物で使われている設備機器の消費エネルギーを熱量に換算した値のこと。冷暖房だけではなく、換気や給湯、照明なども含めた合計の値を、一次エネルギー消費量と呼びます。
レベル | 基準一次エネルギー消費量からの削減率 | BEI | |
---|---|---|---|
6 | 50%以上 | 0.5≧BEI | |
5 | 40%以上50%未満 | 0.6≧BEI>0.5 | |
4 | 30%以上40%未満 | 0.7≧BEI>0.6 | |
3 | 20%以上30%未満 | 0.8≧BEI>0.7 | |
2 | 10%以上20%未満 | 0.9≧BEI>0.8 | |
1 | 0%以上10%未満 | 1.0≧BEI>0.9 | |
0 | 0%未満 | BEI>1.0 |
1つでエネルギー消費量の削減率10%分。再エネがある場合、その削減量を含んだ削減率。
引用:国土交通省ホームページ/建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度/エネルギー消費性能
5.断熱性能とは
「建物からの熱の逃げやすさ」と「建物への日射熱の入りやすさ」の2つの点から建物の断熱性能を見る指標です。
断熱性能の多段階評価
断熱性能は家の形のマーク7段階で表します。UA値とηAC値それぞれについて地域区分に応じた等級で評価し、いずれか低いほうの等級を表示します。例えばUA値の等級が5、ηAC値の等級が4の場合、性能表示ラベルで表示するレベルは4になります。4で省エネ基準を、5以上で誘導基準を達成します。
イラスト・グラフ転用:国土交通省ホームページ「建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度/断熱性能」より
6.目安光熱費とは
住宅の省エネ性能に基づき、一定の設定条件の下で、想定される年間の光熱費の目安額を示すものです。
実際の光熱費とは異なりますので、ご注意下さい。
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①居住人数
住戸面積30㎡当たり1人で設定。住戸面積が120㎡以上の場合は4人で設定しています。
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②生活スケジュール
一日の中の暖冷房、給湯、照明などの運転時間帯をあらかじめ想定値として設定しています。平日と休日で昼間の運転パターンが異なるものと想定し、休日については一定の外出時間があることを想定しています。全国8つの地域区分別の外気温をもとに、設備使用量を想定し、算出しています。
目安光熱費は、住宅の省エネ性能と全国一律の燃料等の単価を用いて算出したものです。
実際の光熱費は、使用条件や設備、契約会社・方法などにより異なります。あくまでも比較検討の目安としてご確認ください。
目安光熱費算出方法
住宅の省エネ性能に応じて国が定める計算方法で算出された電気・ガスなどの年間消費量(設計二次エネルギー消費量※1)に、全国統一の燃料等単価を乗じて年間の光熱費を算出します。
消費量とは
建築物における外皮や設備の実際の設計仕様の条件を基に算出した二次エネルギー(電気・ガス・灯油等)の消費量のこと。
電気等の区分 | 電気 | 都市ガス | 液化石油ガス | 灯油 |
---|---|---|---|---|
単価 | 27円/kWh | 156円/㎡ | 706円/㎡ | 88円/ℓ |
引用:国土交通省ホームページ「建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度/目安光熱費」より
消費量とは
建築物における外皮や設備の実際の設計仕様の条件を基に算出した二次エネルギー(電気・ガス・灯油等)の消費量のこと。
引用:国土交通省ホームページ「建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度/目安光熱費」より
7.ZEHマークについて
住宅ラベルには、「ZEH1水準」の達成状況が記載されています。各項目の達成基準と関係性を記載した相関図が以下になります。誘導基準はZEH水準と同義です。さらに、第三者評価(BELS)を取得した場合は、これに加え、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の項目が表示されます。
引用:国土交通省ホームページ「建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度/ネット・ゼロ・エネルギー(ZEH / ZEB)」より
これまでのBELS評価書ではZEHの詳細な分類がマークだけでは判別できませんでしたが、『ZEH』の分類がマークに加わり、マークだけでその判別が可能になります。
表示項目 | 外皮基準(UA)[W/㎡K]以下 | 一次エネルギー消費量水準 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
評価書 | 表示マーク | 1・2地域 | 3地域 | 4~7地域 | 再生可能 エネルギーを除き |
再生可能 エネルギーを含む |
ZEH | 20%以上の削減 | 100%以上の削減 | ||||
Nearly ZEH※1 | 0.40以下 | 0.50以下 | 0.60以下 | 20%以上の削減 | 75%以上 100%未満の削減 |
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ZEH Oriented※2 | 20%以上の削減 | ー |
※1『ZEH』を指向した先進的な住宅として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギ ー設備を備えた住宅
※2『ZEH』を見据えた先進住宅として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギー等により年間の一次エネルギー消費量をゼロに近づけた住宅
8.2024年、政府のZEH・LCCM住宅の推進に向けた取り組み
2050年カーボンニュートラル実現に向けて、経済産業省・国土交通省・環境省は連携して、住宅の省エネ・省CO₂化に取り組み、2030年度以降新築される住宅について、ZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指し、ZEH等の普及を制度・支援・周知により推進するとしています。
支援
- 子育て世帯等によるZEH水準の住宅等の購入等への補助(国土交通省)
- ZEH、ZEH+、ZEH-M等への補助(環境省)
- 住宅ローン減税におけるZEH水準の住宅等を対象とした借入限度額の上乗せ(国土交通省)
- フラット35におけるZEH等を対象とした金利の引下げ(国土交通省)
※補助金等の詳細については各店舗にてお問い合わせください。